科学的な適職で自己分析

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【wack】自分にとっての、ワクワク生きる方法がわからない…

というわけで、自分にとっての、ワクワク生きる方法がわからない… のヒントになればと思い、

科学的な適職 の実践結果を示し、自己分析を進める。

ここでは

  • 科学的な適職 とは
  • 科学的な適職 実践の流れ
  • 科学的な適職 実践結果/分析と結論

で、進める。


【waku】科学的な適職で自己分析

科学的な適職 とは

科学的な適職 は である。

本書のゴールは

仕事選びにおける意思決定の精度を高め、
正しいキャリアを選び取る確率を上げ、
最終的に「人生の後悔」を限界まで減らすこと

…とある。

ここで扱われる「適職」という言葉の定義は

「自分の幸福が最大化される仕事」である。

1日のうち、8時間を労働に充てるとする。

単純計算で、人生の3分の1が仕事時間となる。

ここから考えると

「自分の幸福が最大化される仕事」である「適職」に就くことは

とても重要だと考えて間違いないと、私も思う。

さきほど示したゴールを達成するために

本書では、以下5ステップを踏む。

①幻想から覚める
 Access the truth(キャリアアドバイスの真偽を検討する)

②未来を広げる
 Widen your future(キャリア選択を誤らせる”最大の原因”を特定し、視野を広げる)

③悪を取り除く
 Avoid evil(不幸になる職場の条件を理解して、できるだけ人生から困難を取り除く方法を学ぶ)

④歪みに気づく
 Keep human bias out(自分の意思決定が間違った方向に進んでいないか確かめる手法を学ぶ)

⑤やりがいを再構築する
 Engage in your work(仕事満足度尺度 ジョブクラフティングという技法で幸福度向上を狙う)

これらの活動は、英文のアタマをとって、「AWAKE」と表現される。

AWAKEを行ったとしても必ずキャリアへの不安はやってくる。

AWAKEをこなせば人生の成功率は高まるが、結局のところ、

適職探しに絶対はない というのが結論のようだ。

だからと言って、何もしないという訳にはいかないので(時間に限りもあるのだし…)

1.定期的にAWAKEを実践し、自分と現状を見える化して

2.そのうえで、流れに身を任せてキャリアを積む(キャリアドリフト)

という流れが推奨される。

ちなみに、キャリアドリフトとは

「流れに身を任せてキャリアを積むこと」だが

キャリアドリフトを行ううえで、以下ポイントは頭に入れておきたい。

  • 人生は予測不可能なイベントの連続、事前の計画通りに進むことは少ない(前提条件)
  • キャリアは事前に細かく決めるより、大きな方向性だけ定めればよい(AWAKE)
  • 一旦の方向性を決めたら、あとは人生に起きた偶然や予期せぬ出来事に柔軟対応でキャリアを積む(キャリアドリフト)

「人生は予測できない」

これが本質。

…であれば、

コントロールせずに方向性だけ決めた後は

身を委ねるしかないのである。

プラン通りにいかない理由は

技術革新や景気の変動など、

VUCAの時代だからである。

したがって、適切な人生の生き方は以下に尽きる。改めて示しておこう。

★人生の節目でAWAKEを実践し、意思決定の機会をもつ
(人生の節目=就職/転職/結婚/病気/出産など、生き方を再調整すべきタイミング)

★それ以外のタイミングでは、人生の流れに身を任せて日々のタスクに集中する

無計画のまま享楽的に生きるのではなく、

かといって、適職の幻を追い続けるのでもない。

目前の選択肢について考え、人生の流れに楽しく身を任せる。

人事を尽くして天命を待つ、これだ。

さて、詳しい実践の流れに進もう。(実践部分は大量なので時間のあるときに参照されたし。)

ただし、その前に「視野狭窄」についても押さえておこう。

就職/転職 失敗の約7割が

「視野狭窄」

によって引き起こされる。

視野狭窄とは、

物事の一面しか注目できなくなり、

その他の可能性を全く考えられない状態を指す。

優秀な人でさえ、この「視野狭窄」に陥る。

視野狭窄の定番パターンは以下3つであると述べられている。

  1. お金に釣られる(失敗として、前職で培ったコネを失うパターンがよく見られる)
  2. 逃げ で職を決める(失敗として、現職に不満が募り、将来のために でなく逃避で職を転々とする)
  3. 自信がありすぎる、または、なさすぎる(失敗として、自己評価がやたらと高いせいで「私はどのような会社でもやっていける」や「いまの会社には問題がある」などと断定し、実は自分の方に問題がある可能性や現状のありがたみに思いが行かない)

いずれのパターンにせよ、一部にしか目が向かず、

多数の選択肢が抜け落ちる。
(2択の可能性でしか考えられない状態 など)

ここまでの教訓としては

「とにかく、仕事選びについては、視野狭窄にならずに、もっと徹底的に考え抜け」

ということになる。

つまり、すべては 視野を広げることから始まるわけだ。

ただし、そもそも人間の脳は職業選択に向いていないらしい。

なぜなら、人間の脳には、職業を選ぶための「プログラム」が備わっていないからだ。

(これは、人類史から見ても明らかである。)

脳には適職選びを間違った方向に導く「バグ」が存在していると考えてもいいだろう、とある。

大量の選択肢を前にした人の多くは、

不安や混乱の感情に襲われるというのもあるため

「視野を広げすぎること」にも注意したいところだ。

「視野狭窄に気を付ける」

「職業選択に向かない脳だと理解する」

「視野を広げすぎない」

という前提知識をおさえつつ、

適職選びの意思決定 精度 を上げていこう。


科学的な適職 実践の流れ

  1. を購入する( Kindle版 もある)
    ※順序立てて記載されているため、この本片手に進めることをおすすめしたい。
  2. AWAKE①|幻想から覚める
    • 「職業選択にありがちな7つの大罪」を理解する(❶〜❼)
      • 「好きを仕事にする」ことにはリスクがあると理解する
        • 好きなことを仕事にしようがしまいが最終的な幸福感は変わらない
        • 好きで始めるとかえってスキル向上が臨めなかったり、上手くいかなかった時のモチベーション低下につながる
        • 仕事への情熱は注いだリソースに比例するため、「なんとなくやっていたら楽しくなってきた」を狙うのがよい
      • 「給料の多さで選ぶ」ことにはリスクがあると理解する
        • 給料が多いか少ないかは、幸福や仕事の満足感とはほぼ関係がない
        • 年収400〜500万あたりから上昇しづらくなる可能性が高い
        • 少なくとも年収800〜900万まではじりじりと幸福度は上がり続けるのだから、そこにリソースを投入して生きるのもよい
        • 最低限の衣食住を満たした後は空き時間を趣味に費やすというのもひとつの生き方
      • 「業界や職種で選ぶ」ことにはリスクがあると理解する
        • 専門家でも有望な業界など予測できない
          • どれだけ知名度のあるエキスパートでも予想の精度はコイン投げと変わらない
          • どんな専門家でも3年先の未来すらまともに見抜けないのだから10年単位のスパンで経済や企業の変動を見抜くことができる人などこの世に存在しない
        • 人間は自分の個人的な興味の変化さえ正確に予測できない
      • 「仕事の楽さで選ぶ」ことにはリスクがあると理解する
        • 楽な仕事は死亡率を2倍に高める
          • ハードワークなどのストレスが体に悪いのは確実なものの、その一方では「楽すぎる仕事」もまたストレスホルモンの量が多い傾向が確認されている
            • 仕事の負荷が低いからといって必ずしも精神的に楽になれるわけではない
        • 適度なストレスが仕事の満足度を高める
          • ほどほどのストレスであれば、幸福感を高めてくれる
        • 「船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。一定量の心配や苦痛は、いつも誰にでも必要である」
          • ショーペンハウアーの名言も上手く表している
        • わかりやすい図もあるため参考にされたし(p071から抽出)
        • 適度なストレスで生きるため、良い/悪いストレスを理解したい
          • 期間
            • 良いストレスの特徴
              • 短い(数分 数時間で終わる)
            • 悪いストレスの特徴
              • 長い(数日 数年かけて続く)
          • メンタルへの影響
            • 良いストレスの特徴
              • モチベーションをあげ、一時的に集中力と記憶力を高める
            • 悪いストレスの特徴
              • モチベーションを下げ、一時的に幸福度が下がる
          • 脳への影響
            • 良いストレスの特徴
              • 脳の可塑性(元に戻らない性質)を高め、認知機能を改善する
            • 悪いストレスの特徴
              • 記憶力を低下させ、理性的な思考が衰える
          • 免疫システムへの影響
            • 良いストレスの特徴
              • 身体のダメージを回復させる
            • 悪いストレスの特徴
              • 免疫システムの動きを妨げ、慢性病を引き起こす
          • 心肺機能への影響
            • 良いストレスの特徴
              • 少しの疲れには負けないよう一時的に体力が上がる
            • 悪いストレスの特徴
              • 高血圧、心臓病、脳卒中の原因となる
      • 「性格テストで選ぶ」ことにはリスクがあると理解する
        • エニアグラム、MBTI、RIASECなどがある
        • 問題は、結果をいかようにも解釈できてしまう点
          • いかに解釈するかを学ばないとテスト自体を適切に扱えない
        • 一貫した結果が出ないこともある。こういった点で信頼度が低いと考えられる
      • 「直感で選ぶ」ことにはリスクがあると理解する
        • 直感が正しく働くためには3つの条件を満たす必要がある
          • 1|ルールが厳格に決まっている
          • 2|何度も練習するチャンスがある
          • 3|フィードバックがすぐに得られる
          • 仕事探しにはこの3つの条件がまったく当てはまらないため不適である
        • 仕事探しには正解ルートはなく、どの会社に入るのも1回勝負、選んだ会社が正解かどうかがわかるまでには数ヶ月はかかる
          • この条件のもとでは直感が正常に働かないだろう
        • また、直感で考える人の人生は「自己正当化」で終わる
        • 意思決定の様式は以下5つに分類されるが、ほとんどの人生の選択においては、合理的(論理的)に考える人の方が人生の満足度が高く、日常のストレスも低い
          • 合理的(論理的に考えて選択する)
          • 直感的(直感や感覚で決定する)
          • 依存的(他者のアドバイスをもとに決定する)
          • 回避的(決定を引き延ばそうとする)
          • 自発的(できるだけ早く決定を終わらせようとする)
      • 「適性に合った仕事を求める」ことにはリスクがあると理解する
        • 適性検査の信頼度を数字が高い順に並べると
          • (0.54)ワークサンプルテスト…会社の職務に似たタスクを事前にこなしてもらい、その成績で評価する手法
          • (0.51)IQテスト
          • (0.51)構造的面接…あなたが大きな目標を達成したときのことを教えてください」のような、過去のパフォーマンスに関する質問を事前にいくつか用意しておき、すべての応募者に同じ問いかけを行う
          • (0.49)ピアレーティング…一定期間だけ実際に企業で働いた後、そのパフォーマンスを社員に判断させる。インターンシップの改良版
          • (0.48)職業知識テスト
          • (0.44)インターンシップ
          • (0.41)正直度テスト…応募者がどれだけ正直に行動するかどうかを測る性格テスト
          • (0.38)普通の面接
          • (0.18)前職の経歴
          • (0.10)学歴
          • どの手法も入社後のパフォーマンスを測る役には立たないという結果
        • 適性での判断が役に立たないのは、パフォーマンスを左右する変数が多すぎるから
        • 仕事に必要な能力は多岐にわたり、たとえば
          • 抽象的な思考力
          • 創造力
          • 同僚とのコミュニケーション力
          • ストレス耐性
          • 感情のコントロール力
          • …などがある
        • 組織文化も予測できない要素としてある以上、適正での判断は難しいと言わざるを得ない
        • ストレングスファインダーについても触れると
          • 「強み」を活かして幸せなビジネスライフが送れるかは周囲の人間との比較で決まる
          • 他者に、自分と同じ「強み」があり、自分よりもその「強み」が優秀であった場合は満足度が低くなる
          • そういったこともあるため「強み」だけで考えるのもリスクと言える
          • ただし、自分の「強み」を活かすように意識しながら毎日を送れば、日常の幸福感が少しずつ高まっていくことが繰り返し報告されていることも無視できない
          • 「強み」をもとに仕事を選ぶことは推奨しないが、いまあなたが働いている会社のなかで仕事の満足度を高めるために使うのならば有用だろうとマーチン・セリグマンは言っている
          • 特定の仕事が決まった場合は、ストレングスファインダーが役立つ可能性アリだが、「強み」だけを頼りに適職探しを行うのは得策ではないだろう
  3. AWAKE②|未来を広げる
    • 「この仕事は良さそうだ」と思った直後から思考が狭まり、それ以外の選択肢に目を向けられなくなってしまうため、いつまでたっても最適な仕事は見つけられなくなる
    • それを防ぐためにも、未来を広げるステップとして「仕事の幸福度を決める7つの徳目」を押さえる
    • 7つの要素が揃った仕事であれば、世間的に評価が低い仕事であっても幸せに暮らすことができる(❶〜❼)
      • ❶自由
        • 仕事内容や働き方に裁量権があること
          • 「自由」ほど仕事の幸せを左右する要素はない
          • ゆえに、この徳目を重視するのであれば
          • たとえば、以下はチェックしたいところである
            • 労働時間はどこまで好きに選べるのか?
            • 仕事のペースはどこまで社員の裁量に委ねられるのか?
          • 女性であれば、仕事に取り組む場所とタイミングの自由が効くほど幸福度は上がる(例.在宅勤務、リモートワークがしやすく、フレックスタイム制など)
          • 男性であれば、仕事の進め方と作業ペースの自由が効くほど幸福度は上がる(例.仕事をこなす順番を好きなように動かせる など)
          • 個々人によっても異なるだろうが、上記を参考にしたいところだ
      • ❷達成
        • 前に進んでいる感覚を得られること
          • 人間のモチベーションが最も高まるのは少しでも仕事が前に進んでいるときであるということ
          • 小さな達成を積み重ねることができるかチェックしたい
          • この徳目を重視するのであれば、以下を押さえる
            • 仕事のフィードバックはどのように得られるか?
            • 仕事の成果とフィードバックが切り離されていないか?
      • ❸焦点
        • モチベーションタイプに合っていること
          • 適職を探すのに唯一役立つ性格テスト「制御焦点」(現時点で質が高いデータが揃ったテストであるらしい)
          • 「制御焦点」とは、人間のパーソナリティを「攻撃型」と「防御型」の2タイプに分ける考え方(仕事のパフォーマンスアップ効果が証明された)
          • 攻撃型|目標を達成して得られる「利益」に焦点を当てて働くタイプ
            • 競争に勝つのが好き、金や名誉などの外的な報酬に強い影響を受ける
            • つねに大きな夢を持ち、仕事を効率的に進める意思が強い
            • 基本ポジティブだが、そのぶんだけ物事を突き詰めて考えず、準備不足のまま事を進めようとするのが難点
            • 作業がうまくいかないとすぐに気落ちする傾向もある
          • 防御型|目標を「責任」の一種としてとらえ、競争に負けないために働くタイプ
            • 自分の義務を果たすのが最終的なゴールで、できるだけ安全な場所に身を置こうとする
            • 失敗を恐れる傾向が強いため、仕事ぶりは正確で注意深く、ゆっくりと着実に物事を進めていく
            • 最悪の事態を想定して動く傾向が強く、時間の余裕がない状況ではストレスが激増する
            • 分析や問題解決力が高い
          • たいていの人はどちらかの焦点をより強く持ち、その強弱によって仕事へのモチベーションが大きく変わる
          • 焦点タイプに合った働き方をした方が能力を発揮しやすく、そのおかげで仕事の満足度も高まる
          • 「促進予防焦点尺度」と呼ばれる有名なスケールを日本語化したものがある
            • こちらだ
              • 点数を次のように足し合わせることで、自分のモチベーションタイプが判断できる(上記の通り、私は防御型となったが僅差。特殊な部類だろう…)
                • 攻撃型|1、3、5、8、9、10、11、13
                • 防御型|2、4、6、7、12、14、15、16
          • 意識せずとも焦点タイプに合わせた職業を選ぶ傾向にあるようだ
            • 具体例
              • ◆攻撃型に適した職業(攻撃型の人は動きの速い業界に向き、サービスや製品の変化が激しく、より柔軟な発想を求められるような仕事→進歩や成長を実感しやすい仕事を探す)
                • コンサルタント
                • アーティスト
                • テクノロジー系
                • ソーシャルメディア系
                • コピーライター など
              • ◆防御型に適した職業(防御型の人は実務能力が必要な仕事で能力を発揮。複雑なデータを念入りに処理するのがうまいため、慎重さを高く評価してくれるような業界が望ましい→安心感と安定感を実感しやすい仕事を探す)
                • 事務員
                • 技術者
                • 経理系
                • データアナリスト
                • 弁護士 など
      • ❹明確
        • なすべきこと、ビジョン、評価軸が明確であること
          • 賃金が不公平な企業に勤めると早死にする
          • ジェフベゾス(Amazon)が急速に成長した時期に全従業員のデータベースを構築した事例がある。
            • このデータベースには従業員の行動が定期的に記録され、誰の働きが会社の成長に役立ったのかがひと目でわかるものであった
            • その目的は、信賞必罰(功績ある者は賞し、過ちある者は罰すること。賞罰を厳格にすること)であり、信賞必罰は経営の王道。Amazonほど「合理的に」を徹底した企業は他にないとのこと
            • 信賞必罰が明確でない企業は、社員の死亡率や精神病の発症率が上がると報告されている
          • 信賞必罰の明確さ以外に大事なのが、タスクの明確さ
            • 自分の作業の手順がわからなかったり、タスクをいつまでに終えればいいか把握できないなど、そんな状況下ではどんなに仕事が好きでもモチベーションは上がらない
          • 他にもよく見られるケースは以下
            • 会社がどんな価値観で動いているのかよくわからない
            • いまやっている作業がプロジェクトのどこに役立つのかわからない
            • 仕事のどこに責任感を持てばいいのかわからない
            • ある上司からは「すぐに企画書を作れ!」と言われたのに、また別の上司からは「会議に出ろ!」と言われた など
          • 社内での役割がわからず、上からの指示はダブルバインドで、上層部にもビジョンが感じられない…こんな状況が幸福度を悪化させる
          • 上からの指示が一貫しないと社員は体調を崩す
          • タスクの不明確さは社員の慢性疲労や頭痛、消化器官の不調と大きな相関があった
          • 仕事で何を求められているかがわからない、上からの指示が一貫しない の2つの状況で働く社員は寝ても疲れが取れず、最終的に頭痛や胃痛などの症状にも悩みやすい
          • 会社においては以下を明確にしたいところ(採用面接や転職エージェントとの面談などでチェックする)
            • 会社に明確なビジョンはあるか?
            • そのビジョンを実現するために、どのようなシステム化を行っているか?
            • 人事評価はどのようになされているか?
            • 個人の貢献と失敗を目に見える形で判断できる仕組みは整っているか?
      • ❺多様
        • 作業内容にバリエーションがあること
          • 宝くじで1億円を当てても1年で慣れる
          • 快楽のウォーキングマシンと呼ばれる心理学の現象
          • 人間はどのような変化にもすぐに慣れてしまう性質がある
          • 日常の仕事でどれぐらいの変化を感じられるか?(以下2つの条件を満たす職場ほど 幸福度は高まる)
            • 自分が持ついろんなスキルや能力を幅広く活かすことができる
            • 業務の内容がバラエティに富んでいる
          • ピクサーにはユニバーサルシティーという教育施設が存在し、すべての社員は複数のスキルを無料で学ぶことができる
          • スキルの内容は「絵の描き方」や「実写映画の撮り方」まで と幅広く、ここで身につけた技術は、再び新たなプロジェクトに使うよう指導される
          • この制度は、ピクサーから人材の流出を防ぐために始まった
          • ピクサーも当初は社員の役割を完全に固定していたが 少しずつスタッフの間に退屈感が広まり始め、やがて優秀な人材がヘッドハンティングで引き抜かれる事態が続出。これを重くみたピクサーは「多様」の考えを取り入れ、スタッフに飽きを防ぐシステム作りを始めた
          • 従来の経営理論からすれば利益を下げかねない取り組みだが、おかげでピクサーの離職率は大幅に減ったとのこと
          • 結局は優秀な人材が残ったのだから長期的には大成功と言える
          • ピクサーほどの「多様」を重じる会社は見つからないだろうが、次のポイントはチェックしたい
            • プロジェクトの川上から川下まで関与できるか?(プロジェクト全体の流れが見渡せるおかげで責任感が生まれ、そこに仕事の意味を見出しやすくなる)
              • たとえば、あなたが衣服の販売員としてアパレルの会社に入った際、新しい服の企画会議にも参加でき、デザイナーに要望を伝えられ、完成した商品を売り広める段階まで関わることができれば、単純に「君は客に服を売ればいい」とだけ言われるよりも確実にモチベーションは上がる
            • 重要なのは 仕事の始まりから終わりまでの工程に、どこまで関わることができるか
          • プロジェクトの全工程にからめるような仕事は少ないが、適職選びのポイントとして押さえる
      • ❻仲間
        • 組織内に助けてくれる友人がいること
          • 「私たちは仕事を辞めるのではない、ただその場の人間関係を立ち去るのだ」
            • 哲学者の世界ではこんな格言がある
          • 友人が3人いれば仕事のモチベーションは700%上がる
            • 職場に3人以上の友達がいる人は人生の満足度が96%も上がり、同時に自分の給料への満足度は2倍になる(実際にもらえる金額が変わらなくても友人ができるだけで給料の魅力があがる)
            • 職場に最高の友人がいる場合は仕事のモチベーションが7倍になり、作業のスピードが上がる
          • 劣悪な人間関係のもとで働く人ほど寿命が短くなるとの報告が多くなされている
            • 嫌な上司のもとで働く従業員は、良い上司のもとで働く従業員に比べて心臓発作や脳卒中で死ぬリスクが60%高くなる
            • 嫌な同僚のせいで悪化したストレスは、たとえ会社を辞めても健康的なレベルにもどるまで22ヶ月かかる
            • 人間関係が悪い会社では、社員が高血圧や高コレステロール、糖尿病に悩む確率が20%増加する
          • 人間関係の悪化が健康に及ぼす影響は計り知れず、そのダメージのレベルは長時間労働や福利厚生の不足の悪影響を上回る
          • 「仲間」の考え方を適職選びに使う際は、以下をチェックする
            • その組織には 自分に似た人がどれぐらいいそうか?
              • 人は自分に似た人を好きになりやすい(心理現象|類似性効果)
              • 考え方や性格の近似はもちろん外見やファッション、文化的な背景など どんな要素でも自分と似てさえいれば好感度は高まる
      • ❼貢献
        • どれだけ世の中の役に立っているかわかること
          • 満足度が高い仕事とは、他人を気づかい、他人に新たな知見を伝え、他人の人生を守る要素を持っている
          • 反対に、満足度が低い仕事は、働きが他人にどう貢献しているかが見えにくい
          • その仕事がどれぐらい他人の生活に影響を与えられるか
          • 社会への貢献が大事なのは、他者への親切によって人間が持つ3つの欲求が満たされるから
            • 自尊心|他人の役に立ったことにより、「自分は有能な人間なのだ」との感覚が生まれる
            • 親密感|親切のおかげで他人と近くなった気分になり、孤独感から逃れやすくなる
            • 自律性|他人のためになったという感覚が、誰から指示されたわけではなく、自分で自分の幸せを選択できたとの気持ちにつながる
          • ここで大事なのは、あくまで自分の行為が他人の役に立った事実を可視化しやすいかどうかである
          • その点ではエンドユーザーとの触れ合いが多い仕事や、クライアントと直にやりとりできる職業の方が有利なのは間違いない
        • 【★7つの徳目で未来の可能性をポジティブに広げる】
          • イニシャルリストを拡大する(視野を広げる作業)
          • 人間には自分の視野の限界=世界の限界と思い込む傾向があるため、最高の職を探すためにはこのステップが欠かせない
            • 【手順】
              • ①イニシャルリストを作る(「現時点で考える仕事についての選択肢」を片っ端からリストアップ)
                • 今の会社を辞めて他を探す
                • キャリアコンサルタントとして働く
                • A社のキャリアコンサルタントとして働く
                • ●●メーカーのエンジニアとして働く
                • 今のクライアント向けに起業する
                • 今の会社にいたまま副業を始める
              • ②徳目アテンションで可能性を探す(7つの徳目から好きなものを選び、その徳目を叶える職種や業種などを転職サイトにて検索)
                • 「自由」を選び、転職サイトにて、職種や業種、年収などの条件で絞る 片っ端から眺めてみる
                • 定時退社、土日休み、残業月平均10時間などの言葉が目につく(心理学|選択的注意…重要だと認識した情報だけを選択し、自動的に注意を向けてくれる脳の働きのこと)
                • 少しでも気になった職種があれば、リストへ追加していく
                • 適職選びにまだ切羽詰まっていないなら、転職サイト検索だけでなく、徳目を替えて街中を歩き、1日を過ごしてみても良い 気にある職業が目につくかもしれない
              • ③徳目クエスションでさらに未来の幅を広げる
                • 自由|仕事をする時間/場所/ペースを自分で決められそうな仕事や職種は他にないだろうか?
                • 達成|仕事のフィードバックをハッキリと確認できそうな仕事や職種は、他に何があるだろうか?
                • 焦点|自分のモチベーションタイプを活かせそうな仕事や職種は、他にどのようなものが考えられるだろうか?
                • 明確|タスクの内容と評価システムがもっとハッキリした仕事や職種とは、どのようなものだろうか?
                • 多様|プロジェクトの川上から川下まで全ての工程に関われそうな仕事や職種は、他にないだろうか?
                • 仲間|自分に似た人が多そうな仕事や職種は他にないだろうか?仲良くなれそうな人が多い仕事や職種は他にないだろうか?
                • 貢献|もっと他人への貢献が目に見えやすいような仕事や職種は他にないだろうか?より多くの人の役に立てそうな仕事や職種はないだろうか?
                  • 思いついた答えはどんなものでもイニシャルリストに加える(視野を広げるのが最大目的)
              • ④8つの質問でブロックを外す
                • 7つの徳目を参考にしてもイマイチ別の選択肢が浮かばない時は、さらに次の質問について考えてみる(いずれの質問も心理療法の世界などで精神の柔軟性を上げるために使われるもので、思考の限界を広げる効果を持つ)
                  • 1|イニシャルリストに書き出した選択肢がどれも選べなくなったとしたら、他にどのような可能性があり得るだろうか?
                  • 2|もしいまの時点でありあまるお金を持っていたら、イニシャルリストの選択肢を選ぶだろうか?
                  • 3|もし今の時点で何の不安も心配事もないとしたら、他にどのような可能性があり得るだろうか?
                  • 4|いままでの努力(注ぎ込んだお金や時間など)がすべて無駄だったとしたら、他にどんな選択肢があるだろうか?
                  • 5|このイニシャルリストが友人のものだったら、どんなアドバイスが頭に浮かぶだろうか?
                  • 6|イニシャルリストの選択肢を選ぶことにより、人生でできなくなってしまうことはないだろうか?(「友人と遊ぶ時間が減る」や「営業のスキルが伸ばせなくなる」など)
                  • 7|自分が尊敬する人は、イニシャルリストにどんな助言をしてくれるだろうか?(死んだ人でも架空のキャラでもOK)
                  • 8|自分のコネクション(過去の仕事や友人など)を通じて、また別のオプションが考えられないだろうか?
  4. AWAKE③|悪を取り除く
    • 最悪の職場に共通する8つの悪
    • ビジネスの世界ではネガティブとポジティブの比率はだいたい6:1
    • 故に、仕事のポジティブな側面ばかりに目を向けていては幸福度が上がらない(仕事から安定して満足感を得るためには、職を選ぶ前にできる限りネガティブな要素を排除しておく必要がある)
    • 結論からいえば、悪影響を及ぼす職場の特徴は2つに大別される
      • 1|時間の乱れ(働く時間の混乱が原因で健康リスクが増大するパターン)
        • 労働時間が長い、出勤時間が変わる、プライベートの時間がないなど、労働のタイミングに問題がある状態を指す
      • 2|職務の乱れ(仕事や報酬の内容に一貫性がないせいで体を崩すパターン)
        •  タスクの内容がバラバラ、賃金の支払い基準が不公平など、労働の内容にストレスを感じてしまうような状況
    • これらの条件下で働く人は肺がんや胃がんなどの発症率が上がり、うつ病や不安障害に苦しみやすく、通院の期間も長くなり、最終的には早死にする傾向がある
    • 以下「悪」としてダメージが大きい順で見ていく
      • 1位
        • ワークライフバランス崩壊
      • 2位
        • 雇用が不安定
          • 急に同僚が解雇、断続的にしか仕事の依頼を得られないなど安定感のない働き方が人体に悪影響をもたらす
          • たとえば、ギグエコノミー(ギグエコノミー|企業に雇用されずにプロジェクトごとに仕事を請け負う働き方のこと)
          • 場所や時間を選ばない「自由な暮らし」として憧れる人も少なくないが、最初はみな自由に働けて気分が上がるが、長期的には心身の健康を崩すという事実がある
          • 理由は簡単で、不安定な賃金や勤務スケジュール、次の仕事が見つからない不安などがストレスになり、長く続けるほどストレスが溜まっていくから
          • さらに、フリーとして安定した仕事を得るには会社員よりも高い評判を保ち続けねばなりませんし、保険などのライフラインも自分で用意する必要がある
          • これらもまたメンタルに負荷を与える大きな要素
          • 評判の維持に追われ、期待したほどの自由を感じていなかったと報告されている
          • 新時代の働き方といえば聞こえは良いものの、実際には見た目ほど自由はない
          • ただし、ギグエコノミーで幸福度が上がったとのデータも存在している
          • たとえば、裁量権の増加をギグエコノミーのメリットとしてあげられている
          • 高度なプロフェッショナルほどフリーな働き方によるメリットを得やすいという事実もある
          • (統計、語学など専門的なスキルを持った人はギグエコノミーで幸福に、安い仕事を受注し続ける人はギグエコノミーで不幸になる)
      • 3位
        • 長時間労働
          • 世界中で一致しているが、週の労働が40時間を過ぎたあたりから体が壊れ始め、週55時間を超えると確実にあなたの心身は崩壊に向かう
          • 厚生労働省は週80時間を超す残業を過労死ラインに定めているが、この基準よりもかなり下の段階から早期死亡リスクは高まる
          • また、休日仕事のストレスは本人でも気づけない
          • 人体が満足に働くためには必ず休憩が必要であり、仕事がプライベートを侵食すれば当然ながらストレスは激増する
          • さらに問題はプライベートで仕事のことを考えただけでも私たちの幸福度が激減してしまう点
          • 加えて、仕事について考えたストレスは運動やマッサージなどの対策では軽減できない
          • 大半の人は、体にはストレス反応が出ているにも関わらず「私はストレスを感じていない」と回答する
          • これらからも考えて
          • 休日に連絡してくる会社や休暇中の仕事が当たり前な文化を持つ企業は避けるべき
      • 4位
        • シフトワーク
          • 体に支障が出る。シフトワークが体に悪いのは 体内時計のリズムを破壊するから。体内ホルモン分泌や、睡眠の質の観点からメンタルと体の両方に甚大な悪影響を及ぼす
      • 5位
        • 仕事の裁量権がない
          • ※これは前述。裁量権(自由)がない点には気をつけよ。
      • 6位
        • 周囲からのサポートがない
          • 最高のチームに必要なのは「心理的安全性」
            • 心理的安全性はチームに対する信頼感のことで、どんなに酷い失敗や恥ずかしいミスをしても、この仲間ならバカにもしないし適切に助けてくれるだろうと思える感覚を意味する
          • 社内に良い友人がいない人ほど心疾患や癌にかかりやすい事実が確認されている
          • 周囲に仲間がいないと本能的な危機感を覚えるようになった
          • ソーシャルサポートの有無は外から判断しにくいが、以下をチェックしたい
            • 社内での出世競争が激しすぎるような兆候はないか?
            • マネージャーが従業員の成果にフィードバックを与えるシステムはできているか?フィードバックを管理職の自主性だけに任せていないか?
            • 育児や出産休暇、健康維持のための補助金システムなど、困ったときは会社がどうにかするというメッセージを社員に発しているか?
            • 社内でどのような交流イベントが行われているか?
      • 7位
        • 組織内に不公平が多い
          • ※これは前述。明確さがない点(不公平など)には気をつけよ。
      • 8位
        • 長時間通勤
          • 通勤時間1分増えるごとに運動時間が0.0257分ずつ減る/睡眠時間は0.2205分のペースで少なくなる
    • 職探しの段階ですべての悪を見抜くのは不可能だが、実際のところ、転職エージェントや面接官からネガティブな側面を聞き出そうとする人は意外なほどいない
    • 人生の一大事にも関わらず 面接になると遠慮してしまうケースが多い
    • 真剣に適職を探しているなら質問をためらわず、面接官や従業員に尋ねてみるのもいい
      • 賃金の査定システムは?
      • 社内の競争は激しいか?
      • 仕事の裁量権はどこまであるか?
      • 最低でも、職場の8大悪に関することは最低でも聞いておく
      • ここでもし相手が質問に口ごもったり、嫌な顔を見せたり、明確な答えを返すことができなかったら危険信号。その会社には問題があると言える。
    • 幸福な仕事を探すための3つの意思決定ツールがあるため、簡単に紹介しつつ、私の場合で分析を実行してみよう(書籍を購入して、詳細をぜひチェックしていただきたい)
      • レベル1|プロコン分析
        • 18世紀から存在する定番の意思決定法
        • ざっくりした方針を決めたいときに使えるツール
        • 複雑な手順いらず
        • この会社を辞めるべきかどうか?この転職先に決めるべきかどうか?のような単純な選択に悩んだときに使うと、大きな力を発揮する
        • プロコンの「プロ」はラテン語「pros(賛成の)」、「コン」は「cons(反対の)」からきており、特定の選択肢についてメリットとデメリットを並べる形で行う
        • プロコン分析は手軽なテクニックだが複数の選択肢からベストを選ぶような意思決定には向かないとのこと(複数の選択肢からベストを選ぶような意思決定には後述する マトリックス分析 を使う)
          • 手順|
            • ❶断定形で悩みを書く(例.この会社を辞めるべきか?→この会社を辞める
            • ❷プロコンリストアップ 思いつく限り、メリット/デメリットを書く
            • ❸5点満点で採点する。重要なら5、重要でないなら1
            • ❹プロコンそれぞれの合計を出してメリットorデメリットで最終判断する
          • 試しに私の結果(デメリット>メリットなので、会社を辞めない方がよい)
      • レベル2|マトリックス分析
        • 複数候補からどれがいいかを絞り込みたいときに役立つ
        • 感情に流されない客観的な判断力を上げる効果が高く、いまでは米軍の意思決定などにも使われている
          • 手順|
            • ❶基準のリストアップ
              • 表を作成する
              • 「仕事の幸福につながりやすい要素」と「仕事の幸福を破壊する要素」を一番左の列に「基準」列としてリストアップ
              • 今回は12種類の要素並べるが、当てはまらないものは別途削除してよい
              • その右隣の列には重み列を、それ以降は比較したい候補の列を作成する
            • ❷候補列のヘッダーにはA社→B社→C社という具合に候補の会社列を作成しても良いし、メーカー系→マスコミ系などで作成しても良い
            • ❸比較する候補列の各マスに重要度として採点を5点満点で記入
              • とても良い5、とても悪い1というように
              • A社は長時間労働ということなら0か1を、B社は自由度が高いなら4や5をつける
              • 不明な場合は、一旦イメージで採点して、分かり次第 正確な情報に更新していく
            • ❹重みの決定
              • それぞれの基準ごとに重みを3点満点で記入
              • 大事なら3、普通なら1をつける
            • ❺最終判断
              • 採点した「重要度」と「重み」を各マスごとにかけ算し、すべての点数を出す
              • 全マスの計算が済んだら、それぞれの候補ごとの点数を全て足し合わせて終了
          • 試しに私の結果(現在 O社。このまま継続が良さそうだ。)
      • レベル3|ヒエラルキー分析
        • 統計学者のトーマス・L・サーティが米国防省で軍縮問題に取り組んだ際に考案したテクニックで、マイクロソフト社のソフト品質測定、ペンシルバニア大学の教授選抜、アメリカ農務省のマネジメント選定などにも使われるほか、世界中の大学でも専門の教育コースがあるほど
        • 客観的なデータだけでなく主観的な好みも判断材料として組み込めるため、適職探しのように個人的な問題を解決するのにも活用できる
        • そのぶん手順が複雑なのが難点だが、意思決定の精度を高めるツールとしてはベストと言える
        • 詳しくは書籍を購入してトライしてみていただければ。今回は紹介のみに留める
      • 色々と紹介したが、どのテクニックを使った場合でも ただぼんやりと仕事を選ぶよりも成功率は高まるはず
  5. AWAKE④|歪みに気づく
    • 正しい意思決定を行うためには綿密なデータ分析より、脳のバグであるバイアスを取り除くプロトコル(手順)の方が重要。(バイアスには様々な種類が存在し、現時点で確認されただけでも約170件以上)
    • それぞれのバイアスには「意思決定を誤らせるもの」「記憶を歪めるもの」「人間関係を乱すもの」などがあり、あらゆる方向から私たちを間違った道に誘い込む。
    • たとえば、「確証バイアス」が代表例。これは、自分が信じたことを裏づけてくれそうな情報ばかりを集めてしまう心理。
    • 例として、「今の時代はフリーな働き方が最高だ」と思い込んだ人が、独立して成功を収めた人の情報ばかりを集め、同じような考え方をする仲間とだけ付き合うようになる」のが典型例。
    • 確証バイアスの他にも、以下がある。
      • アンカリング効果(選択肢の提示のされかたによって、全く異なる決定をしてしまう心理現象)
      • 真実性の錯覚(繰り返し目にしただけでの理由で、その情報を「真実に違いない」と感じる心理)
      • フォーカシング効果(職探しにおいて重要視するポイントが、実際よりも影響力が大きいように感じられてしまう状態)
      • サンクコスト(今までたくさんの時間とお金を使ってきたからという理由で、メリットがない選択にこだわり続けてしまう状態)
      • 感情バイアス(自分の考えが間違っているという確かな証拠があってもポジティブな感情を引き出してくれる情報に飛びついてしまう心理傾向)
    • 自分の間違いを認めるのは誰でも嫌なものだが、「そういう人ってよくいるよね」とあたかも自分には関係ないとはせずに、以下2種類のテクニックで、あらゆるバイアスからほどよく距離を置くとよい。
      • ❶時間操作系プロトコル
        • 技法1|10/10/10テスト
          • この選択をしたら10分後にはどう感じるだろう?
          • この選択をしたら10ヶ月後にはどう感じるだろう?
          • この選択をしたら10年後にはどう感じるだろう?
          • この3つのように、短期/中期/長期のタイムラインでバイアスから自分を切り離すのがゴール。
          • 未来を思うことで判断力があがるという多くのデータがある。(未来を思うことで判断力が上がる現象のことを心理学では、「拡張された自己」と呼ぶ)
          • 定期的に自己を拡張して考えるようにしていきたいものだ
        • 技法2|プレモータム
          • 失敗を前提にして意思決定をする
          • 仕事探しが失敗した未来を頭に浮かべ、バイアスの影響を限界まで減らすためのテクニック
          • ビジネスの世界ではマネジメントツールとして使われるケースが多い。最近はキャリア選択に用いられることも増えた。
          • 手順|
            • 1|敗北の想定(今から3年後の未来を想像して自分の選択が完全な失敗に終わった場面を多数書き出す)
            • 2|原因の探索(完全な失敗がどのような原因で起きたかを書き出す 自分が普段からどんな失敗をしやすいか考えて現実にありそうな理由をできるだけ思いつくようにする 以下の質問を使うのもよい)
              • もし自分が選んだすべての仕事が間違っていたらどうだろうか?
              • 転職したい会社と自分の相性がよいと考えられるエビデンスはなんだろうか?
              • 転職先が将来有望だと考えられるエビデンスはなんだろうか?
              • いまの上司が会社からいなくなったら、現在の会社に対する判断は変わるだろうか?
              • いまの会社の業績が上向いたら転職の判断は変わるだろうか? など
            • 3|過程の想起(失敗の原因プロセスを時系列で詳しくイメージする
              • たとえば、転職したら賃金が不公平でやる気がなくなったという失敗であれば、次の仕事に就くまでに時間がなかったため少しネットで検索しただけで面接を決めてしまった
              • →面接の際に担当者に業績が査定される方法は?と質問しなかった
              • →入社から半年が過ぎたあたりで大した働きしていない同僚の方が給与が高いことに気づく といった流れ)
              • どれだけリアルに失敗のプロセスをイメージできるかがポイント
            • 4|対策の考案(先ほど考えた失敗の解決策を考えていく 金銭にこだわりすぎていたなどに気づいたら給与のことは除外して候補を絞り直すなどする)
      • ❷視点操作系プロトコル
        • 技法3|イリイスト転職ノート
          • イリイストはラテン語の「ille(3人称の意味)」からきた言葉
          • 自分の行動をあたかも他人事のように記録する
          • 悩みを3人称で書き記したグループは他人の視点でものごとを考えるのがうまくなり、複数の観点からベストの対策を導き出せるようになった
          • 手順|
            • 1|1日の終わりに、自分その日に就職・転職に関する意思決定の内容を3人称で書き出す
            • 2|日記には最低でも15分をかけ、2段落ぐらいの文章を書く(書き出す際は必ず次のポイントを含めること)
              • どんなことを決めたのか?
              • どのような流れでその決定にいたったのか?
              • その決定をするために、どのようなエビデンスを使ったのか?
              • その決定により、どんな結果を期待しているのか?
              • 自分の決定にどのような感情を抱いたか?
            • 記載例.逆求人型就職サイト経由で、衣類メーカーからメッセージがきた。とりあえず”彼”がネットでその企業について調べてみたところ、自社で製造ラインの一部を作っていることがわかった。これは”彼”が重んじる「多様」の考えにも一致することから、1Dayインターンへの参加を決めた。”彼”が期待するのは、「どこまで多様性があるかを確かめられるか?」というポイントだ。インターンへの参加を決めたことで事態が一歩進み、”彼”は良い気分になっている。
          • イリイスト転職ノートをつけるメリットは大きく2つ。
            • 1|意思決定の記憶をあとから改ざんできない
            • 2|意思決定のパターンがはっきりする
        • 技法4|友人に頼る(自分のことは自分が一番よくわかっていると思いたがるが、実際には自己評価ほど当てにならないものはない)
          • 現代では親友・同僚・上司のように身近な他人の方が仕事探しには役立つ
          • 正しくフィードバックを受ける3つの方法
            • 1|360度フィードバック(同僚、クライアント、事務員といったあらゆるグループからの査定
              • さらに自分の友人、上司、パートナー、親、コミュニティの仲間など、あらゆる相手からフィードバックをもらえばもらうほど、あなたの仕事選びは精度を増す)
              • また、フィードバックをもらう相手との付き合いの長さにとって精度が変わることもわかっている
              • 知り合ってから1〜3年の相手に相談するのがもっとも正確さが高い
              • 知り合ってから1年以内の相手に相談するのは正確さでは2番目になる
              • 知り合ってから3〜5年の相手に相談するのがもっとも正確さは低い
            • 2|クローズドクエスチョン
              • 仮説ベースの具体的なクローズドクエスチョンがよい
              • 「いまあの会社に転職をすると、自分としては前職のスキルをより活かしやすくなると思うのだけど、あなたは賛成?」
              • 「いまのように興味がない職はキッパリ辞めた方が、次の仕事にポジティブに取り組めると自分は考えているんだけど、あなたは反対?」
              • このようにイエスかノーで答えられる質問で行う
            • 3|親友イメージング
              • 周囲に強いつながりがなくとも方法はある
              • 自分の脳内の友人と会話するだけでも、ある程度までバイアスの影響から逃れられる
                • 手順|
                  • ①就職/転職に関する現在の悩みをひとつだけピックアップする(転職すべきか など)
                  • ②その悩みが 1番の親友の身に起きたものだとイメージする
                  • ③悩める友人にどんなアドバイスができそうかを想像してみる
  6. AWAKE⑤|やりがいを再構築する
    • 人生に成功する秘訣は、自分が好む仕事をすることではなく、自分のやっている仕事を好きになることである(ゲーテ 1749-1832 ドイツの詩人)
    • 以下手順で、適職選びの精度を極限まで高めた
      • ①幻想から覚める(仕事の幸福につながらない要素を省く)
      • ②未来を広げる(仕事の満足度を高めるポイントを取り入れる)
      • ③悪を取り除く(幸せを破壊する原因を積極的に避ける)
      • ④歪みに気づく(適職探しを間違わせる思考の歪みを正す)
    • この手順を踏めば、意思決定の精度は確実に上がるということだった
    • ただし、いくら綿密な下調べをしても、どれだけ戦略的に選択肢を絞り込んでも、そのプロセスでは必ず失敗が起きる(時間を掛ければ掛けるほど、サンクコスト(バイアス)の罠から脱することはできないし…)
    • 失敗は過去のものとして諦め、新たなアクションを取るしか道はない
    • この仕事を選んで正解だったかの判断は難しい…勤め先がブラック企業であればすぐさま転職が正しいが、正解なのか、なんとなく納得できない…など、ぼんやりした不安な状態だから転職というのも違う(こんな状態において、私たちが取れる手順は以下の当たり前の行動のみだ)
      • ❶新たな評価軸をもとに職場を判断する
      • ❷やはり「失敗だった」とわかれば転職
      • ❸「さほどの不満ではない」と判断できたら問題改善にリソースを注ぐ
    • 「転職」か「現状を改善」しかない
    • これらを適切に行うために、前述した
    • 「ヒエラルキー分析」の評価値を再調整して、この職場を選んで正しかったのか判断したり
    • 以下に示す「仕事満足度尺度(Job Satisfaction Scale)」を使って判断するしかない
    • 詳細はぜひ書籍を手に取って把握していただきたいが、私はスプレッドシートを用いて実践した(関数を用いたため分かりにくいところもあるのはご容赦いただきたい)
    • 簡単に説明すると、仕事の幸福を判断する64問について、1〜5点(1:まったく当てはまらない/5:かなり当てはまる)で採点し、★マークの点数を反転(2点なら4点に、5点なら1という具合に)、採点合計を出し、各ポイントでの満足度チェックのため各カテゴリの平均値を算出する(平均値3.5未満は満足度が低め/4.0以上は問題なしと判断する)
    • 採点合計での判定方法は以下だ
      • 064−192|
        現時点ではかなり不満アリ。転職を考えるか後述する「除服ラフティングを3ヶ月ほど実践して様子見。改善がみられないなら転職を考える。
      • 193−256|
        現在の仕事からやや幸福を得られていない状態。「ジョブ苦ラフティング」を3ヶ月ほど実践して様子見。改善がみられないなら転職を考える。
      • 257−320|
        現在の仕事から平均よりも高い満足度を得られており、基本的には優良な職場。転職するよりも、まずはいまの職場の不満を改善する方向にリソースを注ぐ方が賢明。
    • 全体像は以下だ
    • 採点合計や平均点をアップした図は以下だ
      • 採点合計が216点であった
      • 193−256の範囲にあるため、現在の仕事からやや幸福を得られていない状態 に当てはまる。この場合、「ジョブクラフティング」を3ヶ月ほど実践して様子見。改善がみられないなら転職を考える必要があるというわけだ。
      • また、各ポイントの平均点を見ると赤い部分は満足度が低めである(赤い部分は以下であり、それぞれについて、どうするかは考えておきたい)
      • ①給与と福利厚生の満足度
        • ここは、副業や自身で動かすプロジェクトで満足度を向上させるためOKとする
      • ③キャリアと昇進機会への満足度
        • 今後のキャリアも、①と⑦の経験でつくるためOKとしよう
      • ⑥ワークライフバランスへの満足度
        • ここは現在、ムダを省き、割きたいことにのみ時間/エネルギーを投資するように動いているためOKとする
      • ⑦社内の能力開発への満足度
        • 比較的 自由に時間をつくれるため自分で能力開発に動くでOKとする
    • 転職するほどではない場合、現在の職場をいかに良くするか、いかに今の仕事にやりがいを見出すか、という部分にエネルギーを注ぐ必要がある(転職を視野に入れつつも)
    • これには「ジョブクラフティング」という手法を用いる
      • 「ジョブクラフティング」は自分の仕事を価値観にもとづいてとらえ直す手法
      • 退屈で無意味にしか思えないような仕事に、改めて深い意味を見出すのが「ジョブクラフティング」の基本
    • 「ジョブクラフティング」 7手順
      • ①ビフォー・スケッチ
        • 仕事の構成を分析する
        • 仕事の内容をブロックごとに書き出す
        • 仕事に必要な時間とエネルギーが多いほどブロックのサイズは大きくなり、少ないほど小さくなる
        • すべてのブロックを書き終えたらそれぞれに費やしている時間とエネルギーの%を、合計が100%になるように記載する
        • 日々の仕事において、自分の時間とエネルギーの分配率を理解している人はほとんどいない
        • これを行うことで、重要な仕事に意外と時間をかけていなかった… 影響力が少ない作業にエネルギーを使い過ぎていた…といった問題点が浮き彫りになる
        • 現状把握の第一歩である
      • ②ビフォー・スケッチの省察(省察=自分を顧みて考えること)
        • ビフォー・スケッチを見ながら、次の3つに対して考えて、1〜2個の短文で記録する
          • 今の仕事を最初に始めたときと比べて、現在の時間とエネルギーの割り当てには変化したところがあるか?(例.業務の内容に目立った変化はないが、以前よりも報告書の作成に使う時間は増えている)
            • 以下に私の結果を示す
              • 広報/宣伝活動は0%~15%に近づき、人材面談/提案 営業活動は30%で安定。人材管理は35%。組織/業務改善は20%ということで、もう少し掛けたいところではある。
          • 現在の時間とエネルギーの割り当てを見て、どのように感じただろうか?そして、そのように感じた理由はなんだろうか?(例.書類作成に使う時間があまりに大きすぎる。この作業が全体の仕事に与えるインパクトはそこまで大きくないのに)
            • 以下に私の結果を示す
              • 人材管理に時間とエネルギーを掛けている。成果インパクトは大きいためOKだが、もう少し組織/業務改善にリソースを割いてもよい。
              • ❶人材サポート機会:❷自身のスキル向上機会の比率として、❶<❷となる方が今後のリターンも大きいと考えられる。
          • ビフォー・スケッチを見て、どこか驚いた点はあるか?(例.自分では来客対応に一番時間を使っているつもりだったが、意外とそうでもないことに驚いた)
            • 以下に私の結果を示す
              • 人材業務にリソースをやや割き過ぎていると感じる。
      • ③動機と嗜好のピックアップ
        • 仕事について持っている動機と嗜好を選ぶ作業
        • 動機|仕事を通じてどのような価値観を達成したいか?もしいまの自分が満ち足りてなんの不安もない人生を送っていたとして、それでも自分を仕事に駆り立てるような感情とはどのようなものか?
        • 嗜好|実際んい仕事を行うにあたって、どのような能力やスキルを発揮していきたいのか?どんな行動を通して自分の価値観を達成したいのか?
        • どちらの要素も直感で思いついたものでよい
        • 人の価値観や嗜好は状況によって変化するのが普通
        • 現時点でしっくりくるもので選ぶ
        • それぞれ3〜4個で書き出す(以下に私の結果を示す)
          • 動機|自由、成長、人を助ける、問題を未然に防ぐ、最小時間で最大成果を出す
          • 嗜好|技術力、分析力、思考力、人材の強みを言語化、誠実さ、創造性、ユーモア、整理、人材が評価されるためのサポート
      • ④課題クラフティング
        • 日々の課題に関する責任の範囲を変えていく作業
        • たとえば料理人が自分の職務を「食事の提供」だと考えているなら、これを「他人の食事の喜びを広げるべく美しい一皿を作る」に変えるなど
        • 自分が考える仕事のイメージを新たな言葉でとらえ直すのが「課題クラフティング」のポイント
        • 具体的な手順としては、手順②で考えたビフォー・スケッチの省察を見つつ、ピックアップした動機と嗜好をビフォー・スケッチの各ブロックに配置
        • この動機と嗜好を活かせそうなタスクはなんだろう?や、この動機と嗜好に関連するタスクはなんだろう?と考えてみるとわかりやすい
        • 重要なポイントは 各タスクをどう変えていきたいかを考え抜くことである
        • たとえば、「来客対応」というタスクであれば
        • ある人は「他人とのコミュニケーションで楽しさを求める」とし、ある人は「他人と情報をやり取りして学習の機会を得る」とするだろう
        • ここで、新たなタスクが思いつくなら追加してもよいし
        • %の数値を変動させていくのもよい
        • 私の結果は 各ブロックの下へ記載した
      • ⑤関係性クラフティング
        • 会社の同僚、上司、外部のクライアントとの関係性を再構築するためのステップ
        • ビフォー・スケッチの各ブロックごとに「この作業に取り組むときに重要な人は誰だろう?」と考え、その相手との関係性をよりよくする方法を全タスクに書き込む
        • 適当な人が思いつかない場合、次を自問してみる
          • この作業を行うにあたり、もっとも影響力があるのは誰だろう?
          • この作業を行うことで、もっとも利益を得られるのは誰だろう?
        • 重要人物を思いついたら「この人との関係性を向上させるために、自分の動機と嗜好をどのように活かせるだろうか?」と問いを重ね、おおまかな改善プランを記入していく
      • ⑥認知クラフティング
        • 日々のタスク全体に対するあなたのマインドセットを変える作業を行う
        • 自分の仕事への視点を変えて、日常の退屈な仕事に意味を持たせていく
        • 具体的にはビフォー・スケッチの各ブロックを分類し、自分にとっての「役割」を設定する
          • これらのタスクは、組織や自分にとっての大きな目標につながっているか?
          • より上位のゴールや価値観を満たすために役立つことができるか?
        • これらの質問について考え、しっくりくる「役割」を考える
        • ブロックの分類は自分の好みで行う
        • たとえば、来客対応と報告書作成を1つにし「自分のコミュニケーションスキルを磨く手段として使う」などとする
        • 特に分類が思いつかないなら、全ブロックひとまとめにし、「組織の幸福を底上げする」「自分のスキルを存分に活かす」といおう大きな役割に設定するのもアリ
        • 自分の感覚にしっくりくる役割を選ぶこと
        • 以下に私の結果を示す
      • ⑦アクション・プラン
        • 最後に「具体的なアクション」を考える
        • これまでの手順で完成したジョブクラフティングの図を見つつ、自分が決めた役割を生やすためにできそうなことを紙に書き出す
        • アクション・プランを考える際は、263ページのワークシート(イリノイ大学などが従業員のエンゲージメントを高めるために開発したもの)を埋める
        • 「やりがい」の向上に役立つ明確な行動プランと、その過程で発生しそうなトラブルを考えるのに役立つ
        • 以下に私の結果を示す
        • あとは作成したアクション・プランに従い、粛々と日々の仕事をリノベーションしていく
        • アクション・プランは、自分の決めた役割をうまく満たすものであればどんなものでも効果が得られる
        • 組織や世間に対して、どのような役割を果たしたいのかを考え、そのニーズを満たすアクションを考えると、やりがいは確実に変わる
      • ⑧アクション・プランの成果ふりかえりと改善
        • アクションが仕事の幸福度アップにつながるかどうか確かめて、間違っていた場合は定期的に修正する
        • ふりかえりは「日本語版ジョブクラフティング尺度」を用いて、正しく実践できているかを数値でつかむ(以下は私の結果|数値的に問題はなさそうだ)
          • 全21問 5つの基準で採点
          • アクション・プラン実践後に、職場での行動がどう変わったか、変わらなかったか考え、あてはまるものを選ぶ
            • 1点=まったくない
            • 2点=時々ある
            • 3点=しばしばある
            • 4点=よくある
            • 5点=とてもよくある
          • 点数をつけ終わったら以下の質問のブロックごとに点数を合計し、それぞれの平均点を出す
            • 1〜5
            • 6〜11
            • 12~16
            • 17~21
            • 各項目は以下のポイントを反映している
              • 1〜5|
                構造的な仕事の資源の向上(自分の能力を高めるために努力して、仕事で自分のスキルを活かすように意識しているか?)
              • 6〜11|
                妨害的な仕事の要求度の低減(ネガティブな感情をコントロールし、そのような気分を起こさせる人との関わりを避けているか?)
              • 12~16|
                対人関係における仕事の資源の向上(上司や仲間たちと職場で良い関係を築くことができているか?)
              • 17~21|
                挑戦的な仕事の要求度の向上(ある程度の難易度を持った仕事に対して、積極的に取り組んでいくことができているか?)
          • 「いまの仕事がつまらないのはどの要素が不足しているからなのか?」「どの要素を改善すれば、より仕事を楽しくできるだろう?」と考える
        • 改善点が見つかったら再びジョブクラフティングを行い、弱点を補強できるようなアクション・プランを考えていく
        • 日本におけるジョブクラフティング平均点を超えていれば、現時点で仕事への前向きさは平均より上であると考えられる
          • 1〜5|2.8点
          • 6〜11|2.1点
          • 12~16|1.8点
          • 17~21|2.1点
        • ここから長所を伸ばすか、不足を補うか判断して行動する
    • ジョブクラフティング尺度は1〜3ヶ月ほどのペースで繰り返すようにする
    • ジョブクラフティングをブラック企業に居続けるためのテクニックとしては絶対に使わないこと(ブラック企業はすぐさまやめよう)
    • これらからも考えると、「今の環境が適切かどうか判断すること」と、「自分自身を理解すること」は両方重要だ
    • 退屈な仕事に情熱を生み出したいならジョブクラフティングがベストな手法(ただし、一定のダークサイドもあるため、以下2つに注意する)
      • 1|情熱と目的意識を増やし過ぎない(仕事への情熱はバランスが大事。多くても少なくてもいけない。)
        • ジョブクラフティングは情熱と目的意識を増やすが、いきすぎれば問題を起こす
        • ありがちなのは課題をリノベーションする作業が楽しいあまりに、ついアクション・プランを増やし過ぎてしまうケース
        • 「情熱や目的意識が増えること」と、「日々の業務へのストレスが増えて燃え尽き症候群に陥ること」は比例する(仕事に情熱を燃やす人ほど燃え尽きやすい)
          • 目的意識を持って仕事にのめり込んでいる人ほど、燃え尽き症候群が起こりやすいことを理解する
          • 目的意識→タスク増→ワークライフバランス崩壊という流れに注意
          • 燃え尽き症候群の特徴
            • ❶モチベーションが逆に下がってしまう
            • ❷自分の仕事に対して否定的な感情や不信感が起きる
            • ❸仕事の効率があきらかに低下する
      • 2|やりがい搾取に気を付ける
        • やりがい搾取というのは、仕事への情熱が大きい従業員をこき使い、不当に安い賃金で働かせる行為を意味する言葉(世界的に見られる現象)
        • これが起きる原因は 情熱がある人は搾取しても構わないと無意識に考えてしまうバイアスがあるから
          • たとえば、以下がある
            • アーティストやソーシャルワーカーのように情熱的な人が多い業界に対しては「労働環境がヒドい場所で働いても当然だろう。なぜなら本人にやる気があるのだから」と考える人が多い
            • 情熱がないのに劣悪な環境で働く人を見た場合でも、あれだけヒドいところで働いているのだから、あの人はモチベーションが高いのだろうと考える人が多い
    • 要するに、たいていの人は、「熱心に働いている人は搾取されて当然」と思い込むうえ、ブラック企業で働く人を見ても「好きでやってるんだから仕方ない」と考えてしまうバイアスを持つということ

科学的な適職 実践結果/分析と結論

◆私の実践結果/分析

私自身の実践結果としては

「転職をせずに、現在の環境で働くのがよい」というものになった。

それにしても今回驚いたことは

数々の分析手法があるものだなという点である。

こんなにも冷静な目で

客観的に自己/現状を見える化できるとは思ってもみなかった。

何より、バイアスの存在が邪魔になるというところに同意である。

人は「思い込もう」とする。

もしくは

「思い込んでしまう」のである。

ここは、気づかぬうちにやってしまっているため

かなり意識的に気をつけておきたいところである。


◆結論

今回の「科学的な適職」は

自己分析を行ううえで、押さえておくべき重点が記載されているため

かなりおすすめしたいところだ。

本書の結論としても冒頭に記載したため、みなまで書かないが…

(そして、私も完全同意なのだが)

とにもかくにも、人生は計画通りに進まない。

とはいえ、何も考えずに闇雲に行動するのも違う。

おかしな思い込み、必ず発生するバイアスを

紹介されている手法で取り除き、できる限り適切な判断で

人生の大まかな方向性を明確にする。

明確にしたなら、あとは

そこへ向けて行動あるのみ。

都度、振り返り&柔軟に調整を行う。

ただ、その繰り返しなのである。

もう一度、書いておこう。

(不適切な判断に気をつけつつ…)

① 大まかな方向性を明確化

② 行動

③ 振り返り&柔軟な調整

を繰り返すだけなのである。

これまで、さまざまな自己分析手法を行ってきているが

本書に記載のある知見により、否定された自己分析手法もあった。

その意見を踏まえたうえで

それぞれの自己分析手法の「強み/弱み」を理解して

適切な自己分析アプローチとはなんなのか

私なりの答えを出したいと思う。

あと少しで「自己分析」について

納得のいく答えが出せそうだ。

もう少し、がんばろうと思う。


【 参考 】

科学的な適職

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